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日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部
組織・人財変革コンサルティング
シニア・マネージング・コンサルタント
陣門 亮浩氏 インタビュー


日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部 組織・人財変革コンサルティング シニア・マネージング・コンサルタント 陣門 亮浩氏 インタビュー

陣門 亮浩氏 プロフィール

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部 組織・人財変革コンサルティング シニア・マネージング・コンサルタント

シンクタンクを経て、2007年にIBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(当時)に入社、業務改革コンサルティング部門を経て現職。
最近では、人事機能変革(タレント・マネージメント、ワークフォース・アナリティクス、シェアード・サービス・センター設計/導入、ビジネス・プロセス・アウトソーシング検討/導入など)、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)、組織風土変革、人財育成プログラム開発/提供、人事関連システム構想策定/導入に従事。

目次

本日はインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます。まず、IBM(日本アイ・ビー・エム株式会社またはIBMコーポレーション、以下同じ)の組織・人財変革コンサルティング部門の特徴を教えて下さい。

本部門は、10年くらい前までは、正直、他の総合系コンサルティング・ファームの組織人事コンサルティング部門との明確な違いはありませんでした。しかしながら、ここ10年に発生した外部環境変化がIBMのコンサルティング部門にとっての「機会」となり、IBMが有する2つの「強み」がお客様に評価されるようになりました。

2つの強みとは具体的にどのようなことでしょうか。

1つ目は、IBMが事業会社であるという点です。ご存知の方も多いと思いますが、IBMは1990年代に、それまでのメインフレーム依存のビジネスモデルが崩れ、経営破綻の危機に瀕しました。社外からCEOを招聘し、事業構造の改革を推進し、それまでのハード主体からサービス主体のビジネスモデルに転換しました。
その過程で、IBM社内にはグローバルレベルで、10年以上かけて実行した変革の成功・失敗事例、ノウハウが膨大に蓄積されています。
2008年のリーマンショック以降の景気低迷や海外を含めた競合との競争激化に伴い、お客様企業からは「グローバル全体を対象とした変革をこれまでの半分以下のスピードで実現したい!」とのご要望を頂くことが多くなりました。
そういったお客様には、グローバル企業であるIBM自身の人事制度、プロセス、システム、人財育成プログラムのみならず、導入ノウハウも含めてご紹介します。IBMモデルをパッケージとして提供することによって、グローバル企業へのスピーディーな変革を支援しています。

実際にIBMが先駆者として実現してきた変革なので、これから変革を目指すお客様企業を上手く先導できるわけですね。もう1つの強みとは何でしょうか。

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部 組織・人財変革コンサルティング シニア・マネージング・コンサルタント 陣門 亮浩氏: IBMが有する2つの「強み」 それは、AIやアナリティクスなどのITソリューションを保有していることです。 IBMでは、2~3年に1度、全世界の経営層を対象としたヒアリング調査を実施しています。それによると、CEOは自社に最も影響を及ぼす外部要因として3年前から一貫してテクノロジーを第1位に位置づけています。

人事領域においても、テクノロジーのインパクトは大きく、IBM自身も、採用候補者のスクリーニング、退職リスクの高い人財の特定、研修コンテンツの推奨、人事の問い合わせ対応などにIBMのAI製品であるIBM Watson(以下、Watson)やIBMアナリティクス(以下、Analytics)を活用しています。
IBMでは、WatsonやAnalyticsをご紹介するイベントやセミナーを度々開催しているのですが、これらの領域に対するお客様企業の関心は非常に高く、お客様へのご提案や実際のご支援をお待ち頂いている状況が続いています。
ただ、私たちはITツールの営業ではなく、コンサルタントですから、必ずお客様の現状を評価した上で、AIやAnalyticsがお客様の問題解決に適用可能なのか見定めます。

特に、AIやAnalyticsが力を発揮するには、必要なデータを収集・管理できていることが極めて重要です。IBM コーポレーション(以下、IBM)の会長、社長兼最高経営責任者バージニア・M・ロメッティも「データは21世紀の新たな天然資源である」と言っているくらいです。
人事では、人事異動の決定が意思決定の最たる例ですが、「異動決定に必要なデータを収集・分析できておらず、ベテラン人事要員のK・K・D(勘・経験・度胸)に頼っている」という企業が多いのが実情です。

お客様企業が、このような状態にある場合には、いきなりAIやAnalyticsのソリューションを導入しても、IBMの導入チームがいなくなったら、すぐに使えないシステムになってしまう可能性が高いです。このため、このような場合には、データ収集インフラの整備やデータマネジメントポリシー・プロセスの整備をご提案します。

ちなみに、他のコンサルティング・ファームからお客様企業に対して、「うちはITベンダーとは独立しているので、第三者的な視点でソリューション策定をサポートできる。IBMでは、ベンダーロックインになる恐れがある。」と指摘されることもあります。
ただ、「そんなこと気にしている時間的猶予はない!」というお客様企業が多くなりました。IBMはIBMの優れたITソリューションを熟知していますし、他社のソリューションを組み合わせた上で的確なアドバイスを速やかに行えます。経営トップや役員の方からはIBMご指名で、「海外の競合に伍するために、IBMが自ら実証した変革や最新のテクノロジーをスピーディーに自社に適用するにはどうしたらよいか?」というご相談を頂き、プロジェクトをスタートするケースが増えています。

「固有解を適用し、結果を出すところまで導く」という点についても、詳しく教えて下さい。

これまで申し上げたことは、お客様プロジェクトにおける構想策定の段階で実施する支援内容にあたります。この後、ソリューションの実行フェーズに移るわけですが、お客様はIBMに対して、複数ソリューションを組み合わせて、経営レベルの大きな変革を支援することを期待しています。
このため、部門や国、会社をまたいだチームフォーメーションになることが多いです。お客様の大きな変革に携わることができるのはコンサルタント冥利に尽きることなのですが、プロジェクトチームも大きくなるため、部門間やエリア間、パートナー会社との定期的なコミュニケーションが必要になります。パートナー会社のメンバーや海外IBMのメンバーなど多くの関係者を動かすのは大変ですが、「お客様の成功!」を胸に、各メンバーとの調整を厭わず対応していくことが求められます。
特に、業務プロセス運用やIT運用をIBMで受託するアウトソーシングサービスを提供する場合、運用チームが中国やフィリピンになるため、トレーニングや、万一ミスが生じた際の迅速なリカバリーへのケアが欠かせません。「固有解の結果を出し続けられているか?」という視点で、アウトソーシングの実行チームや、必要であればお客様に対して、アドバイスをしていく必要があります。

一般的にコンサルタントというと、「現状分析を実施し、お客様の問題点を特定する」イメージが強いと思います。私は10年前に中途でIBMに入ったのですが、私自身入社するまでは、そのイメージを持っていました。
IBMでは、「社内外のソリューションを組み合わせてお客様固有解を導き、適用し、結果を出すところまで支援する」ことも求められます。ソリューションにもよりますが、お客様の総投資額が10億円を超えるような案件もあり、正に経営レベルの変革をご支援することができます。

陣門さんも中途入社されていますが、最新ソリューションのキャッチアップやIBM自身の変革方法論を理解するのに時間がかかったのではないでしょうか。そのあたりをサポートする仕組みについて教えて下さい。

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部 組織・人財変革コンサルティング シニア・マネージング・コンサルタント 陣門 亮浩氏: 最新ソリューションのキャッチアップやIBM自身の変革方法論を理解するサポート 私が組織・人財変革コンサルティングの部門に社内異動で移ったのは7年前なのですが、異動直後からプロジェクトマネージャーとしてアサインされました。
パートナーやシニアマネージャーといった上位スタッフのサポートもありましたが、異動直後に現場責任者を務めることができたのは、組織が有する幅広いナレッジのお陰です。
IBM全体でのナレッジDB(データベース)もありますし、公開範囲を部門に限ったナレッジDBもあります。これらを参照し、IBM自身の変革方法論や他社事例を理解しておくことで、お客様へのご支援を円滑に進めることができました。
ただ、ナレッジDBの資料をそのままお客様に適用できるようなケースはまずありません。お客様ごとに置かれた状況は異なりますし、同じお客様であっても、過去実施した分析結果が役立たないこともあります。
常に、「お客様の現状がどうなっていて、問題点はどこにあり、最適な解決策のオプションは何か?」ということを考え続ける必要があります。あくまで、ナレッジDBはそれを効率化するための支援ツールという位置づけですね。

最新テクノロジーのキャッチアップという点ではいかがでしょうか。

AI、Analytics、クラウドといった、最新テクノロジーはIBMの戦略的重点領域として掲げられていることもあり、豊富なトレーニングの機会が用意されています。
GlobalのeLearningコンテンツでは、ソリューション概要から最新動向を理解することが可能です。また、日本のお客様に最新ソリューションを適用した事例を共有するための研修コースがほぼ毎週開催されています。これらの研修コースは事業所の会議室が主会場ですが、Web会議システムで遠隔から参加することも可能です。
IBMでは互いに教えあうことを尊重する風土があり、面識がない社員に質問をしても回答をもらえます。テクノロジーとは領域が異なりますが、私もIBMのグローバル人事制度の詳細でわからないことがあったので、英国やスペインの担当者に質問したことがありますが、皆さんすぐに回答をしてくれました。逆に、私がリードしたお客様向けの変革について、インドのコンサルタントから質問を受けたこともあります。

最後に転職を検討している皆さんにメッセージをお願いします。

これまでお話ししたとおり、IBMでは、IBMにしかできない、大きな変革をお客様に提供することができます。
「お困りのお客様企業の力になりたい!何とかしたい!」という熱意を持った方をお待ちしています。皆さんをサポートする仕組みはあるので、積極的なチャレンジをお待ちしています!
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
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