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グロービス
グロービス・コーポレート・エデュケーション部門
マネジング・ディレクター
西 恵一郎氏 インタビュー
今回は、法人事業を担うグロービス・コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクターの西 恵一郎氏に同社の事業内容から特徴や魅力、求められる人材像まで広くお話を伺いました。
プロフィール
グロービス・コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクター 兼 顧彼思(上海)企業管理諮詢有限公司 董事
早稲田大学卒業。INSEAD International Executive Program修了。三菱商事株式会社に入社し、不動産証券化、コンビニエンスストアの物流網構築、商業施設開発のプロジェクトマネジメント業務に従事。B2C向けのサービス企業を立ち上げ共同責任者として会社を運営。
グロービスに転じた後は、企業研修部門にて組織開発、人材育成を担当し、大手外資企業のグローバルセールスメソッドの浸透、消費財企業のグローバル展開に向けた組織開発他、多くの組織変革に従事。グロービス初の海外法人の立上げ、現地法人の経営を行った経験も持つ。現在はコーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクターと同時に、中国法人の董事を務める。講師としてもグローバル戦略、リーダーシップ、アクションラーニング等を幅広く担当。
- 西様のご紹介
- 事業内容の変遷:HRのプロとして経営に携わっていく存在に
- 組織文化:ダイバーシティ・ナレッジ共有・社員育成
- 事業の実態と展望:HRデータに関する取り組み
- グロービスにおけるキャリアパス
- 採用選考に関して
- 読者へのメッセージ:グロービスの魅力
西様のご紹介
本日はお時間をいただきありがとうございます。まずはじめに、西様のご経歴を簡単に伺わせて頂けますでしょうか。
大学卒業後に三菱商事に入社し、不動産証券化と、コンビニエンスストアの物流構築、商業施設開発のプロジェクトマネジメントを行う部門を経験しました。
その後、グロービスに転職。最初の1年は個人向け大学院事業のBtoC向けのマーケティングを担当し、翌年からは現在の法人事業の部門に異動し、企業の抱えている課題に対して人材育成・組織開発という観点で何が出来るか?ということに一貫して取り組み、時代と共に変化させてきました。
法人事業に従事するようになり、2005年から2015年の10年間ぐらいで、日本企業のグローバル化が益々進んだことを実感しました。日本企業のグローバルへの展開は、アメリカ、ヨーロッパへは以前からも展開が進んでいましたが、その時期はアジアを中心とした展開が増え、様々なクライアントから「アジアで活躍出来るリーダーを育成できないか?」という相談を頂く機会が増えたのです。従来は、リーダー候補・育成対象者に日本に来ていただいた上で育成することが多くありました。しかしながらお客様の声の増加に伴い「中国において中国語で育成する仕組みを作ろう」ということになり、現地・上海に約4年間駐在して、立ち上げ業務を経験しました。お陰様で中国での展開の基盤も整い、別の担当に役割を譲り、帰国後は人材育成・組織開発関連の新規サービスの開発に取り組みながら、2017年より部門の責任者も務めています。
三菱商事からグロービスへの入社を決めた理由は何でしょうか。
私が入社したのは2003年で、当時は社員も100名規模でベンチャーに転職した感覚でした。三菱商事は、やりがいもあり優秀な人も多く、今でもお世話になっている方がいます。しかし、あまりにも企業の規模が大きすぎて、当時の私は、自分が何かを成し遂げても、会社にとってのインパクトを感じることは難しくもありました。あるとき、「自分がやったことが会社の成長に繋がるような実感を得ながら、自分も成長をしていきたい」と転職を考え、当時のグロービスならそれが叶うのではないかと思ったことが理由です。
事業内容の変遷:HRのプロとして経営に携わっていく存在に
グロービスの採用のお手伝いをしているなかで、近年、グロービスの業務内容や顧客ニーズが近年大きく変わりHRBP(HRビジネスパートナー)のような働きを求められるようになってきたと伺いました。その辺りを詳しくお話し頂けますでしょうか?
企業において人事の果たすべき役割が変わってきています。今までは経営者が大きな方針を決めて、ある程度仕組みに落としていけば、組織も会社もある程度は前に進んでいました。しかし昨今は、技術の進化、ビジネス環境の変化も激しくなり、企業の経営者は従来の延長線で戦略を立てにくく、試行錯誤を繰り返しながら経営の舵をとられています。
おそらく、「経営における悩みに対して、人事が積極的に関与していく」という考え方は、日本にはなかったと思います。本来であれば、人事は経営者の右腕となり、人の側面から経営者を支えることが望ましいと思います。ただし、従来の場合、経営者・事業責任者の方が人事に関しても多くを担っていたこともあるでしょう。また、採用・教育・評価・制度設計・労務管理などいわゆる人事業務を行うだけで経営者の右腕となる立場まで育つのは、難しいのが現実です。
一方、私が海外での経験で感じたことは、事業部長や役員の方々は、事業のことが分かる人事担当者を欲しがっている、と言うことです。人事のプロ、つまりHRBPとして、組織をどう作っていくべきか、人・組織の側面からどのように戦略を実現していくかに関して相談に乗ってくれる相手が欲しいと、強く言われていました。グロービスが最近取り組んでいることは、結局、経営目線で捉られる人材の創出だと思います。将来的には、そういう人が自社内で育ち、CHO(Chief Human Officer )が人・組織の側面から、CFO(Chief Financial Officer)がお金の側面から、経営者を支えていく、そういう世界観が作られていくと思います。ただし、そういう世界が来るまでは、私たちグロービスのような外部の存在が、人材育成の役割を担い、いずれクライアントの方々に役割を移管していくことで、貢献することができたら良いと考えています。
おそらく、これは私たちだけで出来ることではなくて、人事コンサルの人や人材紹介会社の方などとも一緒に、しっかり世界観をつくり上げていく必要があります。
組織文化:ダイバーシティ・ナレッジ共有・社員育成
顧客のニーズ・期待される役割の変化に、グロービスはしっかり対応されていらっしゃると思います。その対応していく秘訣について伺いたいのですが、一つの要因としてダイバーシティ(多様性)があり、様々なバックグラウンドをお持ちの方が在籍されていると伺いました。その辺りを詳しく伺えますでしょうか?
私たちには、クライアントよりも先に課題を察知する力が求められます。そのためには、多様な経験や価値観を保有した人同士が意見交換を行い、物事を多角的に捉えられるように、常に組織をアップデートしていく必要があります。
実際、グロービスには、前職がコンサル、営業、エンジニア、R&D、官公庁、NPOなど多様なキャリアを積んだ人がいます。私たちは、クライアントの事業内容と戦略を理解した上で、課題を抽出し、人・組織を開発していくかを考えていきます。そのためには、多様性のある意見交換や対話がとても刺激になっていくのです。
加えて、全員が当事者意識を持って、真摯に意見を出し合うという文化も重要です。組織文化を醸成し、よい状態を維持していくかも心がけています。
なるほど。
また、グロービスがお客様に支持をいただける理由の一つには、「提供するサービスの品質の高さ」があると自負しています。これは「顧客の文脈に即した設計力」と「ファシリテーション」の強みを活かして、ソリューション提案やプログラムご提供ができることです。
なお、これが実現できる背景には、法人クライアント1600社の課題に向き合うことで得られた知見や事例を守秘義務に抵触しない範囲で互いにシェアし、一人一人にもナレッジがストックされていく仕組みも寄与しています。新しく入られる方が初めに驚くことは大抵、「こんなにも情報発信と共有が多いこと」です。私はこの情報発信・ナレッジの共有こそが自部門の強みだと思っているので、ナレッジはなるべく共有し自分一人で囲い込まないようにすることを推奨しています。教えあう、学びあう、シェアすることで知の還流がおこり、上限関係を超えた尊敬と感謝によって縦横を超えた繋がりとなり、組織文化にもなっていくからです。
ありがとうございます。色々なバックグラウンドの方がいますけれども、勉強しよう、学んでいこうという気持ちは、皆さまお強いのですね。
そうですね、そこは強いです。以前、代表の堀から「変化に対して自分がキャッチアップしたいのだったら、変化の先頭にいなさい」と言われハッとしたことがあります。先頭で走っている人に着いて行く姿勢を持ち、知識が追い付かない段階であっても、先頭を走る人の話を聞くなど、自らも情報をアップデートし続けることで、結果的に先頭集団に追いつくことになるのです。それもあり、部門内だけでなく全社としても外部から人を招いての勉強会やセミナーも多数あり、学ぶ機会には事欠かない会社です。
特に私たちの部門は、経営者や役員層の皆様と対話する機会がとても多くあります。経営層の方々は、やはりとても謙虚で、学習意欲が高く、チャレンジ精神も旺盛です。そのような姿勢を間近に感じることで、自分もそうありたいと願うようにもなるため、様々な知恵に出会う機会が多いのは良い環境だと思います。
大学院に通いながら働かれている方たちも多いと伺いました。社員育成にはかなり力を入れているのですね。
はい、成長の機会提供は全社で行っています。人・組織の課題解決をお客様と議論するためには経営についての知識、特定領域の専門性を持っておく必要があり、MBAをはじめとした修士号を取得する学習機会の提供は積極的に行っています。また、自己啓発の一環として、1人あたり年間20万迄会社が負担し、外部での学習機会を得られるようにしています。海外カンファレンスへの参加なども推奨しています。
更に、実務で必要な知識のインプット、営業スキルの向上、クライアントへの提案書設計力の強化などは、事業部内で実施しています。
他にも社員に向けて投資をされていることはありますか?
なにより、人材に投資します。先に述べた育成や能力開発の機会の確保ですね。また、チームビルディングなど組織の活性化のためにも投資します。部門では、年2回のリトリートも実施し、組織内コミュニケーションの向上と、組織文化醸成のために投資をしています。ちなみに、今年は4月に札幌へ行き、「今年の戦略方針と、自分の立場で取り組むべきこと」を皆で議論したり、チームビルディングをしたりしました。
事業の実態と展望:HRデータに関する取り組み
少し具体的な業務内容に踏み込んでお伺いします。西様が担当された中で、特に記憶に残っている案件や、面白かった案件などを教えてください。
そうですね。本当に悩んでいる経営者の方々から、問題意識をお話いただき「グロービスと、一緒に解決できないか?」という相談をうけた時でしょうか。その問題意識に向き合い、「新しい仕組みそのものを一緒に作っていきませんか」と提案し合意が得られた時はとても嬉しいですね。こうなるための基礎には、経営者の価値観に触れ機会を作り、信頼関係の構築が欠かせません。その上で、合意の後は、クライアントとさらに信頼を厚くしながら一緒にチャレンジを継続していけるプロジェクトは、やりがいを感じました。
なるほど。もう少し具体的に教えていただけますか?
とあるクライアントから「40代の執行役員を輩出する仕組みを作りたい」と相談を頂戴しました。その時点において、執行役員は50代の方ばかり。10年後までにそれを達成したいという時間的成約の中で、実際にどのように仕組みを作っていくのかを、クライアントと一緒に考えました。もちろん、仕組み作りは我々だけでは出来ません。仕組み全体から考えていった上で、グロービスは、候補者の選抜や評価制度の構築を担当することに決めました。まずは、対象者を海外に送り出し挑戦の機会を創出することを決め、候補者を複数ご提案。さらに評価のあるべき姿についても議論を行い決めていきました。それを複数の階層で仕組みを作りつつ、クライアントの人事部の方と一緒に情報連携をしていく。さらに定期的に社長へレポートをし、我々から見た場合の組織や人材の傾向をフィードバックしていきます。経営者は、その報告を元に計画に微修正を掛けていきます。そのように、執行役員の輩出を経営課題として先方と一緒に取り組んだ経験は、記憶に残っています。
研修だけには全く留まらないのですね。人材輩出の仕組みを経営者と伴走しながら作っていく、というイメージですね。
そうですね。昔の能力開発や人材育成は、人事部が素案を考えた上で具体的な企画案を複数の教育機関に依頼し、プログラムを選択することが一般的でした。我々の場合は、どのようなご要望であっても、「まず何を考えなければいけないのか?」をクライアントと一緒に対話することから始めます。クライアントの課題意識を整理し、戦略に基づいて、今、どのような能力開発が必要か、どの層に働き掛けなければいけないか?というような深い部分まで一緒に考えていくことが、実際には多くあります。そうすると、結果的にタレントマネジメントの仕組みそのものから考えなければいけないという場面が、現れます。
ありがとうございます。最新の取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。
知見のあるパートナー企業と連携しつつ、グロービスがこれまで蓄積したナレッジや経験を活かしながら、講師とコンサルタントが知恵を出し合いながら新規事業の創出まで伴走していきます。
また、最近ですと、HRテックにも取り組んでいます。これまで、人事領域は属人的な要素が多くありましたが、従来と比較するとデータを獲得・蓄積できるようになってきました。それに伴い、「人や組織の状態を可視化し、客観的なデータに基づいて、どのような人材に投資していくのかを判断出来るようにしたい」と、考える経営者が多くなってきたこともあります。
ある意味、商社のように、自分たちでビジネスを生み出すような動きもされているのですね。
これからの時代、企業が成長するためには、データ活用しながらレバレッジを効かせていくことは欠かせません。また、マーケットは日本以外にも広がります。そのような世界観の中で、グロービスとして勝負出来る状態をいかに作るか?を常に考えています。今はまだ過渡期という感じですが。
我々も2012年から2017年の間は、「人材育成のパートナーになる」ということを部門のビジョンに掲げて、事業を推進していました。当時目標としていたのは、経営者が気にされる「人と組織」に関する10アジェンダのうち上位トップ3については、我々にお声掛けを頂いている、という状態を作ること。5年経過して振り返ると、実際に目指していた姿に近づいています。
2018年からの5年間は、人材育成のパートナーを越えて「組織開発のパートナーになる」ということを新たなビジョンに掲げ、チャレンジしています。そのチャレンジの中で、前述のデータ活用やグローバル展開に関して注力し、ブランディングを行っていくことになるでしょう。
事業の展望としては、HR×データのようなところに注力されていくのですね。
会社全体としては、EdTechカンパニーになりたいということを掲げ、AIの研究、デジタル領域、エンジニアリングにも投資をしています。我々部門は、「組織開発のパートナーになる」ためにはデータ活用が不可欠だと思っていますので、当然、それにはマストで取り組んで行きます。
グロービスにおけるキャリアパス
ありがとうございます。少し話は変わりますが、キャリアパスについて伺えればと思っています。例えば、グロービスから次のキャリアとしてはどのような方向に進まれる方が多いのでしょうか。
外部的なキャリアパスとしては、大企業の人事部に転職され、人事の責任者ポジションとして移られた方もいます。また、ベンチャーのHR部門のトップになる方もいらっしゃいます。加えて、事業開発の部門に進まれる方、ご自身で起業する方もいました。あとは講師という専門性を持って独立されていく方も比較的多いですね。最近は、組織人事や戦略コンサルファームを選ばれる方もいます。
外部企業で経験を積んだ後、グロービスに帰ってくるということもあるのでしょうか。
もちろんです。我々はアルムナイの方も積極的に受け入れています。他社での経験を活かしていただくことは、議論の活性化や多様性を高めるためには重要だと思っています。
とても寛容なスタンスなのですね。ちなみに、グロービス内部でのキャリアはいかがでしょうか。定年まで色々な部署を点々として働いていくということもあるのでしょうか。
もちろんあります。年に1回、異動希望の申告機会があります。なお、異動先部署が受け入れる決定をした場合は、ご本人の意向を尊重し、異動していいただきます。実際に、海外の拠点に行く人、データを扱う事業に行く人、研究開発の部門に行く人もおり、社内におけるキャリアパスの広がりは多くあります。
事業開発、サービス開発のような、サービスデザインを担当するような所に異動される方もいますか。
いますね。我々の部門でも事業開発は取り組みますが、異なる事業部での事業開発を希望する方もいらっしゃいます。
我々は「自分のやりたいことをやりましょう」を推奨し、できるだけ応えるようにしています。なぜならば、やりたいことに取り組むほうが、モチベーションもパフォーマンスも高くなりますから。その証に年4~5回の目標管理の面談では、常に「やりたいことはなんですか?」を問います。組織の戦略やビジョンに沿った上で、社内でやりたいことが見つかった場合はチャレンジの機会を提供します。もし、やりたいことが社外でやる方がよい場合は、話し合った上で応援することがありますよ。基本的には、各自の可能性を信じて、各個人がやりたいことを中心として組織を作っていく、という発想ですね。
チャレンジを奨励する文化なのですね。
はい。逆に、チャレンジに対してポジティブではない人は、不向きかもしれません。「何をしたいか」と問われた時に、「そういうことを聞かれるのは嫌です」と言う人は、おそらく、弊社には合わないです。
逆に言うと、「こういうことをやりたい」という思いを持てる人にとっては、とても良い職場だと思います。「やりたい」と言った人には「やりましょう。やり方は提案してください」という感じでチャレンジを推奨しています。
採用選考に関して
面接ではどんな点を判断されていますか?
まずは人間性です。人と向き合っていくことが求められる仕事なので、誠実さ、正直さはとても重要な資質となります。また、私たちの仕事は、一つの案件に時間がかかる仕事なので、短期的な付き合いを希望される方は、志向性が合いません。クライアントと長期的に向き合い誠実に対応出来る人なのかということを、対話の中でみるようにしています。
加えて、「自らの課題意識を行動に移せる」という主体性も重要です。批判だけでなく、提案し行動に移せる力を、グロービスでは大切にしています。
あとは、「価値観はなんですか」と、結構普段言語化してない内容を聞いています。答えていく中で、言葉にならないものをどう言葉にしていくか?ということにチャレンジしてもらって居るのです。我々は、見えにくい人・組織の課題に向き合い言葉にしていく仕事になるため、言葉にする力は重要視しています。
言語化能力ですね。
はいとても重視しています。繰り返しになりますが、面接では言語化する力、思考力、主体性など見ています。そして何より、人として本当に向き合っていける人間性をお持ちなのか?という点に私は注目します。なぜかというと、必ずしも即戦力者を採用している訳ではないからです。「入社後1カ月で、必ずパフォーマンスを出してください」と思っての採用は行っていません。それよりも、人間性が高く、ポテンシャルのある人材を採用して、丁寧に育成していきます。我々のチャレンジは、入社していただいた方にいかに早く成長していただけるか?ということだと思っています。
最後に、面接のプロセスにおいてクリティカルなNGポイントはありますか。
そうですね、「この人ともっと話をしたい」と思わせる能力の有無でしょうか。表面的な受け答えをされてしまう方に対しては、話をする熱意が冷めてしまう場合があります。また、ある質問に対し、その時点では深く考えたことが無いとしても、その問いに答えるために考えていくプロセスは見せて欲しいと思っています。考えることをあきらめない人、そこは注視しています。
これは結局、クライアントと話している時と同じだと私は考えています。我々の仕事は、一人のコンサルタントがクライアントの担当として、提案からサービスの実施まで全てのバリューチェーンに長い期間向き合あっていきます。そのため、「この人と一緒に仕事をしたい」と思わせる姿勢が、最後はとても大事になります。ゆえに、目の前の面接官に対しても、「この人ともっと話をしたい」と思わせる能力があるか否かは、かなり大事な要素ではないでしょうか。演技をする方はどこかで見抜けてしまいます。瞬間、瞬間に本音で話せるか、その人らしさがしっかり伝わってくるか、そこは見ていますね。
読者へのメッセージ:グロービスの魅力
ありがとうございます。読者の方にメッセージはございますか。たとえば、御社の魅力など。
逆質問になりますが、どのような点が当社の魅力だと感じられましたか?
私が候補者の方によく申し上げているのは、MBAを取得するプロセスで、経営に関する幅広い知見が付くこと、それゆえ、人事担当者の視点ではなく、経営者という一つ上の視点から人事部門に提案していける、という点です。また、経営に関する幅広い知見が付くので、次のキャリアパスの広がりが期待出来るという点もよくお伝えしています。
そうですね。確かにそれはあります。MBAの取得は一つの利益実感になるでしょう。実際に、働きながら2年間学び、やり切った後に自分の物事の見方が変わった、意識が変わったという方は多くいらっしゃいます。
他にはどんな点がありますでしょうか。
私自身は、早期にクライアントの役員層、経営者と対話が出来る点だと考えています。実際に、入社された方からは「こんなに若いうちから経営者の方と一緒に仕事で関われるようになるとは想像していませんでした。しかも、内容の濃い議論を同じテーブルで行えるとは全く思っていませんでした。」と言われることが多くあります。
これは、我々の仕事ならではだと思っています。
例えば、大規模なコンサルティングファームでは、経営者と向かい合うのはパートナーの方が中心で、若い方が直接経営者と対話をする機会はそれほどは多くないと聞きます。もちろん、ミーティングに同席することはあっても、経営者から「担当コンサルタント」として認識をされ、質問をされたり、議論に加わったりすることは少ないのではないでしょうか。
そもそも、20代後半~30代前半の人が経営者と直接お会いして仕事をする機会は少ないですよね。しかしながら当社では、入社1年程度の若手コンサルタントでも、経営者や役員層と対等な視点で議論をして、クライアントの課題の相談を受けながら、提案という形に落とし、成果を認められ、クライアント経営陣から感謝の言葉をいただけるという点にやりがいを見いだす人がとても多いです。
経営者と話せるようになるために、若手コンサルタント自らが、誠実かつ対等に話をできるように愚直な努力をするというサイクルが生じていることが多くみられます。私たちリーダー陣は、若手にもその場と機会を提供し、サポートしながらも程よいプレッシャーと成長機会を創出しています。
コンサルティングファームにはチームプレイで組織的な動きが得意そうな人のほうが合っている気がしますが、御社の場合は経営者の方との高度な対話が務まりそうな人がフィットしている気がします。
そうですね。当社のコンサルタントは、まずMBA的な知識を習得しているため、経営に求められる大枠を理解しています。さらに他社事例も常にアップデートし、人・組織に対する知見と、受講される参加者の言動や、変化に対して観察し、それを言語化してフィードバック出来る能力も持っています。そういった武器があるからこそ、経営者との対話が務まるのです。グロービスの場合、役員の人から普通に名前を呼んでいただけます。通常、30代では貴重な経験になるのではないでしょうか。
なにより、クライアントの成長に寄与したいという情熱、仕事を通じて生じる健全なプレッシャー、クライアントの課題に応えられたという喜び、ご提供するサービスやソリューションが、クライアント企業の社員の方々の成長に繋がっていくのだという矜持と誇りが、仕事の醍醐味となり、本人のキャリアになるのだと私は思います。
素晴らしい経験ですね。まさにグロービスにでしか味わえない魅力ですね。
ご興味をお持ちいただけた方は、是非弊社の門をたたいて頂ければと思います。
本日は有難う御座いました。
グロービ インタビューページ一覧
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グロービス・コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクターの西 恵一郎氏に同社の事業内容から特徴や魅力、求められる人材像まで広くお話を伺いました。
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グロービス・コーポレート・エデュケーション部門 シニア・コンサルタント 大谷 康人氏に同社の事業内容から特徴や魅力、求められる人材像まで広くお話を伺いました。
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グロービス・コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクターの鎌田氏と経営管理本部 本部長の林氏ににお話を伺って参りました。
関連情報
MBAビジネススクールを核とし、人材育成・組織開発、ベンチャー投資、出版を手がける人材育成ファーム。
「ヒト」・「カネ」・「チエ」のビジネスインフラを構築し、社会の創造と変革をサポートしています。
法人向け研修・人材開発事業、ビジネススクール事業を日本語・英語で展開するとともに、ハンズオンベンチャーキャピタル部門を持ち、「アジアNo.1のビジネススクール」と「アジアNo.1のベンチャーキャピタル」になることを目標としています。
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